ただ「生きる」ために必要だった医療費。

 

A4で50枚、三女が生まれて2ヶ月分の診療明細書。

聞いたこともない薬の名前を1つ1つ調べては、書き込みながら目を通していきました。

 

NICUで受ける治療は、とてもとてもお金のかかるもの。

入ったことのある方ならばわかるでしょう……本当に特別な環境で、24時間細心の注意を払って「命に向き合う場所」なんです。

大袈裟ではなく、ずっしりと腕に重い明細書が命の重さを感じさせました。

 

これまでにかかった医療費まとめ

こちらでは、「左心低形成症候群」という生まれつきの心臓病の治療にかかった医療費をまとめています。

2015年07月~2018年09月までの合計額です。

 

保険内

保険内は、医療費の制度によって自己負担0円になっているものです。

  • 札幌市子ども医療費受給者証
  • 重度心身障害者医療費受給者証
  • 養育医療
  • 自立支援医療(育成医療)

 

 

 

総合病院

  • 入院:生後4日目に転院

 

大学病院

  • 手術入院:両側肺動脈絞扼術、ノーウッド・グレン手術・胸管結紮術・フォンタン手術
  • カテーテル治療:コイル塞栓術
  • 検査入院:心臓カテーテル検査2回
  • 外来:計25回、うち心エコー2回、レントゲン15回、採血5回、シナジス8回、在宅酸素濃縮器使用4ヶ月

 

更に詳しい内容に関しては、以下のリンクからどうぞ。

 

これまでの保険内での医療費は、計3112万3310円です。

 

手術の診療報酬点数

平成30年度の診療報酬点数によると、三女が受けた手術の点数は以下の通りでした。

診療報酬は1点=10円です。

 

  • K563 肺動脈絞扼術:39410点 ※1
  • K587 ノルウッド手術(ノーウッド手術):179310点
  • K586 両方向性グレン手術:71570点=71万5700円
  • K586 フォンタン手術(TCPC):85880点

[合併症]

  • K501-3 胸管結紮術(乳び胸手術):15230点

※1:三女は「両側肺動脈絞扼術」を受けています。「肺動脈絞扼術」は主肺動脈にテープを巻いて絞る(細くする)ものですが、「両側肺動脈絞扼術」は分岐したあとの右・左それぞれの肺動脈を絞ります。具体的な点数が不明なため、ここでは「肺動脈絞扼術」の診療報酬点数を記載します。

 

外来の注射料のうち、172万7200円はシナジス(RSウイルス感染症の重症化を防ぐ注射)です。

在宅医療の部分が、在宅酸素濃縮器使用分になります。 

 

保険外・食事療養

保険外・食事療養費は費用負担のあるものです。

下表は実際に支払った金額になります。

 

文書料は1通3780円。

小児慢性特定疾病以外は再認定があったので、2通ずつ取得していて計7通です。

  • 身体障害者手帳
  • 特別児童扶養手当
  • 障害児福祉手当
  • 小児慢性特定疾病(診断書は取得したものの申請せず)

 

 

その他の詳細は、病衣代です。

食事療養費も、最初の入院中(ミルク代)は全額公費負担になっています。こちらについては「養育医療」が適応でした。

検査入院中の6360円は、16食分の金額です。

 

治療が0円で受けられても、それ以外の費用負担がじわじわと堪えます。

「特別児童扶養手当」は障害児の扶養者(夫)への助成なので、こういった部分にあてられるお金です。

母親が働きに出られない分も補おうと考えると、決して多い金額ではありません。

 

「特別児童扶養手当」は、2018年2月末で非該当となりました。

不足を感じる部分へのテコ入れとして、コープ共済の加入条件を満たした時点で検討することにしています。

 

医療費の制度について

先に述べたように、外来での支払いは「札幌市子ども医療費受給者証」を利用していました。一般的に乳幼児受給者証と呼ばれるもので、札幌市では小学校1年生までの医療費は初診料のみになります。

身体障害者手帳を取得後、「重度心身障がい者医療費受給者証/障初(以下、「障初」)」へと切り替えました。

 

【2018年8月追記】

平成30年8月診療分より、医療費助成の受給者証と全ての国公費負担医療の受給者証(特定医療費(指定難病)、小児慢性特定疾病等)の併用が可能となります。なお、国公費の方が優先されるため、国公費適用後の自己負担額が医療費助成の対象となります。

 

重度心身障がい者医療費助成/札幌市

公費負担医療:特定医療費(指定難病)・小児慢性特定疾病など。

 

「障初」は北海道内が適応範囲でした。

乳幼児受給者証は自治体(札幌市内)だったのですが、平成30年8月診療分からは北海道内に拡大されました。

※キチンと確認してから追記予定です。

 

最後にまとめ

ここまでの金額を見て、どのようなことを感じるでしょう。

 

こういう表現は嫌いですが、障害者が税金で生きることを好ましく思わない人達が一定数います。

私たちは命の重さだと感じますが、違う立場で無駄だと感じる方もいるんですよね。

命に優劣や上下をつける、「生産性」で価値をはかる。

 

個人の価値観なのでお好きにどうぞと言いたいのですが、その物差しはご自身にのみ向けていただきたいと思います。

この世に生を受けて「生きる」、それを他人にとやかく言われる筋合いはありませんね。

 

どれほど他人事にしていても、税金を使わずに生きている人はいません。

次の瞬間に自分が障害者になる可能性は十分にあること、その立場にならなければ理解できないものかもしれませんね。

 

ただ、そのくらい桁違いの金額なことは間違いありません。

三女が生きるために必要だったお金、私たちは「出してもらって当たり前」などと思えるはずがないんです。

 

同じように生まれてくる命のために。

これから当事者となる人たちのために、自分たちのために。

できることから取り組んでいきたい、恩返しをしていけたらいいと思っているんです。

ABOUT ME
睦
北海道の三姉妹お母ちゃん。借金背負った夫と、小学生の姉ちゃんズ、難病で生まれた三女。人生いろいろあるけれど、トライアンドエラーで笑って生きていくんだ。ネジ巻き直して「よーい、どん!」