キラーストレス|「病気・障害を持っている子供」の家族が抱えるストレスへの懸念

 

以前、NHKスペシャルで放送された「シリーズ キラーストレス」をご存知でしょうか?

>>>NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」

 

私達が日々感じているストレスは、実は命を脅かしたり、さまざまな病気を引き起こしたり悪化させたりする可能性があります。

では、どのくらいストレスがあると危険なのでしょうか?

 

「病気・障害を持っている子供」の家族が抱えるストレスへの懸念

 まず、キラーストレスとは。

脳の扁桃体が不安や恐怖を感じると ストレス反応と言われる反応が始まります。 ストレスホルモンが分泌されたり自律神経が興奮したりします。そのために心拍数が増える、血圧が高くなるといった反応が起こります。これがストレス反応です。 一つ一つは小さくても、多くのストレスが重なると、キラーストレスともいうべき危険な状態に陥ります。 

 

NHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」第1回内容

 

ライフイベントストレスチェックをしてみよう

下表はライフイベントストレスチェックの一覧表です。

診断される方は、第1回の番組サイトの自動計算チェックシートを利用されるといいですよ。全65項目あります。

 

1年間に経験したイベント(出来事)を合計します。

時間は途切れることなく流れていくので、どこを切り取るかによって点数は変わってきますね。

 

私は人生でおそらくもっとも大変だった時期、2015年2月中旬からの1年間でチェックをしてみました。

三女妊娠中に安静生活となってから、手術を終えて退院してくるまでのことです。 

 

合計点の目安

  • 260点以上:ストレスが多い要注意の段階
  • 300点以上:病気を引き起こす可能性があるほどストレスがたまっている可能性がある段階

 

私のストレスチェックの結果

  • 親族の死:叔父・義祖母 73点
  • 自分の病気や怪我:妊娠初期から安静生活 62点
  • 多忙による心身の疲労:面会生活 62点
  • 家族が増える:三女誕生 47点
  • 妊娠:三女妊娠 44点
  • 社会活動の大きな変化:まったく外出できない 42点
  • 食習慣の大きな変化:家事ができない期間、付き添い入院中 37点
  • 家族の行動や健康の大きな変化:三女の疾患 59点
  • 300万円以下の借金をした:(夫にされた) 51点
  • 睡眠習慣の大きな変化:慢性的な不眠 47点
  • 妻が仕事を辞める:内職 40点

 

ざっくりとチェックしたところ、このくらい。

該当するか迷った箇所もいくつかありましたが、すべて入れると合計は564点でした。多少減ったところで、300点というボーダーを大きく上回っています。

 

現在の生活は収入の減少など金銭面(住宅ローン・借金)と、それに伴う夫婦関係の亀裂が大きなストレスです。せいぜい200点前後でしょう。

有職者の場合は、勤務先での人間関係や仕事内容によっては、あっという間に300点は超えてしまいますね。

 

番組サイトには対処法として、「コーピング」と「マインドフルネス」について書かれていました。

  • コーピング:自分のストレスを客観的に観察し、それに見合った自分なりの対策をすること
  • マインドフルネス:今現在起こっていることに注意を向けて、現実をあるがままに受け入れていくことなど

 

詳細は第2回の番組サイトをご覧下さい。

 

家族が抱えるストレスについて考えた

最初はほんの興味本位、軽い気持ちでやってみたんです。

結果を見て「ここまでの点数になるんだ」と知った時、過ごしてきた時間に対して恐怖がわいてきました。

今はとても穏やかな生活をしていますが、日頃強く感じることはなくても潜在的に大きなストレスを抱えていることには気づいています。

 

日々の生活で感じるストレス

ライフイベントストレスチェックは、あくまでも「1年間に経験したイベント」なんですよね。前述したとおり時間は途切れることなく流れていくので、特に私に関していえば三女のことはず─────っと継続しているんです。

 

機能的修復術であるフォンタン手術(TCPC)を終えた今、服薬と定期健診以外は元気な子(=健常児)と変わらない生活をしています。 

ですが、私の頭から「三女が心臓病、障害児であること」が消える日はありません。

 

手足の冷え、脱水、体調の急変、出血を伴うケガ、「子供の命を守る責任や恐怖」は間違いなく通常の育児以上です。

感染症が気になるので外出は控えて、誰にも会わず、誰とも話さずに過ごす時間。

 

医療的ケア児ならば、目を離すことがままならない場合もあるでしょう。

病院から放り出されたあと、社会に受け入れてもらえる場所もサポートもないまま、閉塞感や孤独感を持ったまま過ごしている人たちもたくさんいます。

「この先どうなるんだろう」という思考は、決して希望的なものではありませんよね。

 

私たちは支え合うことができる 

子供の入院時に24時間の付き添いが義務づけられること」の是非が、常々問われています。子供の安全面や精神面への配慮という側面が大きいですね。

 

病気・ケガなどで、お子さんの入院を経験した方は多いでしょう。

体調の悪い子供をずっと見続けること、自宅を離れた生活、栄養バランスなど考えられない食事、1人になれない、眠れない。

たった数日のことでも、大きなストレスになります。

 

医療機関にもよりますが、それが重度の疾患だった場合にはそれが無期限で続きます。年単位に及ぶこともあるでしょう。

付き添いを交代してくれる人がいないとしたら?

 

仮に「回復する」とわかっているなら、多少気持ちも楽になります。

もしもそのめども立たない、見込みもない場合には?命に関わる時間を過ごしていたらと考えてみてください。

そんな時に感じるストレスが、いったいどれほどのものか想像できるでしょうか。

 

親だからこそ逃げたい気持ちもある

「親なんだから」「親のくせに」と……親という単語に、勝手なイメージを貼りつけて心無い言葉を浴びせかける人がいます。

発したご自身が、その気持ちでお子さんと向き合われるのは結構です。

他の誰かに押し付けることなく、お好きにどうぞ。

 

私たちは傍目にとても強い親に見えているのかもしれませんが、決してそんなことはないんです。こみ上げてくる涙も、逃げ出したい気持ちも、必死で抑えて踏ん張り続けている人たちがたくさんいます。

 

我が子のことだから、ずっと見ていたい。

我が子のことだから、全部知りたい。

でも親だからこそ、見たくない。

親だからこそ、知りたくない。

逃げたくても逃げられない、誰にも助けを求められない。

 

例えばお子さんが高熱で苦しんでいる姿を、痛がって泣いている姿を見て、「変わってやりたい」「かわいそうで見ていられない」と。

多くの親が感じるのではないでしょうか。

根っこにあるのは同じ気持ち、それを知っていて「親なんだから」は到底言えません。

 

誰でも寄り添いの種は持っている

同じ疾患児の親として、具体的な話をして共有できる想いがあります。

障害児の親として、励まし合うことができます。

子を持つ親として、一緒に泣くことができます。

人として、優しさを向けることができます。

 

共通点なんていくらだって探せるんです。

 

けれど共感が強くなると、冷静に寄り添うことが難しくなります。

障害児の親だからこそ掛けられる言葉がある代わりに、障害児の親だからこそ掛けられない言葉があります。

 

励ましてほしい人、泣かせてほしい人、笑ってほしい人、ただ聞いてほしい人、いろんな人たちがいます。

そこに心を向けて、できる形で寄り添ってくれたなら、私たちはほんの少しでも孤独から解放されるんです。

 

最後にまとめ

仕事のことならば「イヤなことはさっさとやめよう」「楽しいことをしよう」とも言えます。減らしていけるものは、とことん減らして楽になりたいですね。

ただし障害児の親に同じことは言えません。

 

直接手を差し伸べることはできなくてもいいんです。

ほんの少しの優しさが集まることで、私たちは大きなサポートの力を感じています。

 

何て言葉をかけていいのかわかないこと、あると思います。

それも私たちの受け取り方1つなので、気にせず「頑張って」「いつも見てるよ」「ちゃんと食べてね」と、何気ない言葉で構わないので声をかけてください。

 

SNSなら「応援してるよー!」の気持ちを込めて、「いいね」してくれたらそれだけでも励まされるんです。

 

親が倒れるわけにはいきません。

無理を重ねても、まだまだ踏ん張り続けなければいけない人たちに、温かい想いが届きますように。

願わくばストレスを減らせるようなサポートが、1日も早く整いますように。

ABOUT ME
睦
北海道の三姉妹お母ちゃん。借金背負った夫と、小学生の姉ちゃんズ、難病で生まれた三女。人生いろいろあるけれど、トライアンドエラーで笑って生きていくんだ。ネジ巻き直して「よーい、どん!」